「左ききのエレン」とは、才能に抗うクリエイター達の群像劇を描いた漫画です。
主人公の光一が高校生の時、エレンという天才と出会い、そこから様々なストーリーが生まれ結びついていきます。左ききのエレンのストーリーの中から飛び出てくるフレーズやメッセージが心に突き刺さり、読み出したらどんどんとストーリーの中に引き込まれていきます。
左ききのエレンを知ってて見つけたわけではなくて、ただなんとなくたどり着いた。心の準備なんて何もしてなかったのに、読み出したらすぐに止まらなくなりました。一気に最後まで読み終えました。もう一度読もうと思います。
なぜこんなにハマったのだろう?私がコピーライティングやマーケティングなどクリエイティブなモノに触れているからだろうか?いや、それだけじゃあここまでハマらない。後になって考えてみると、ハマってしまった要素はたくさんあるけれど、一番の理由はそのメッセージ性にあると思います。
〜天才になれなかった全ての人たちへ〜とサブタイトルがつけられている左ききのエレン。天才ではない人の方が圧倒的に多い世の中で、天才に憧れたけど、自分は天才じゃなかったと悟ってしまった人たちの想いは、一体どこにぶつけたらいいのだろう。そんな人たちの行き場のない想いを救ってくれるメッセージが至る所に仕掛けられています。
ぜひ、美大生や芸大性、デザイナーやアーティストやモデル、フォトグラファーやコピーライターなど、クリエイティブな仕事に関わる人達はもちろん、自分を信じて必死に何かを頑張っている人達や、夢破れて自分を愛してあげることができない人達に、ぜひ読んでもらいたいオススメの漫画です。
心に突き刺さるメッセージやよく理解できる登場人物の気持ちの描写が、とても心地よいのです。
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コンテンツ
- 1 左ききのエレン「記憶に残る名場面」
- 1.1 パパの手はそうじゃなかったんだ【第3話】
- 1.2 どうして私だけ絵が描けると思うのー?【第6話】
- 1.3 せいぜいそのくらいなんだよ。残る人間の数ってさ【第6話】
- 1.4 何かにならなきゃ…退屈でいきていけねえよ【第6話】
- 1.5 男だから【第7話】
- 1.6 横浜【第7話】
- 1.7 おじちゃんの絵は何でこんなに色が少ないの?【第8話】
- 1.8 サラリーマンやれよ【第9話】
- 1.9 夢にも賞味期限をつけてよ【第12話】
- 1.10 照らす側の人生だってあるんだ【第13話】
- 1.11 はじまったらはじまった時にわかるよ【第15話】
- 1.12 クソみたいな日にいいもんつくるのがプロだ【第16話】
- 1.13 ぼく人間ちゃうわ。デザイナーや【第17話】
- 1.14 私は”服きて歩く”ことしかできないから、その世界一になるの【第21話】
- 1.15 お前の人生私にくれよ【第26話】
- 1.16 何かに人生を捧げた人間たちは繋がっているんだ【第29話】
- 1.17 ”才能”の隣で生きることを笑うなよっ!【第34話】
- 1.18 必死こいてお前になれよ
- 1.19 まるでフィクションだったよ…誰の人生にもそんな時間があっていい【第36話】
- 1.20 天才になれなかった私の最良だ【第41話】
- 1.21 甘い夢よりも痺れる現実のためにー【第43話】
- 1.22 真夜中に誰もいないオフィスで、自分の仕事を眺めて笑ったことが【第34話】
- 1.23 誰が作ったなんて誰も知らなくても【44話】
- 1.24 誰かを変わったなと思う時、もしかすると変わったのはアナタかもしれない【番外編】
- 1.25 何か残して死ね【第45話】
- 1.26 大義か恩義か選ぶんだ【第46話】
- 1.27 自分の向き不向きがもたらした絶望を見たものだけが輝ける【第48話】
- 1.28 私は27才で死ぬわ【第48話】
- 1.29 別にいいだろ才能なんて無くたって。何もかも持ってるじゃないか【第53話】
- 1.30 自分の仕事で怒ったり泣いたりしないのが、本当に大人ですか!?
- 1.31 いつか思い出して誇れることを信じろ【第61話】
- 2 「左ききのエレン」を読んだ周りの人の声
- 3 まとめ
左ききのエレン「記憶に残る名場面」
世の中の漫画の中には、人生を考えさせられる、人生を救ってくれる言葉がたくさんありますよね。左ききのエレンは、一般的な漫画よりもさらに圧倒的にそんな言葉が多い気がします。
全くカテゴリーは違うし、似ても似つかないかもしれないけど、どことなく海賊王になる漫画「ワンピース」を思い出しました。ここだという名場面、盛り上げて伝える瞬間を外さないというか。左ききのエレンに心を奪われたみなさんの、お気に入りの場面、セリフをまとめてみました。
まだ左ききのエレンを読もうか迷っている人には、ちょうどいいネタバレ具合になるかと思います。
パパの手はそうじゃなかったんだ【第3話】
人の手は何をする為に生えてくるのでしょうか?普通はご飯を食べたり勉強したり、好きな人と手を繋いだりするためのモノ。でもごくたまに、「絵を描く為だけに生えてる人がいるんだ」とエレンのパパが言ったあとの一言。
どうして私だけ絵が描けると思うのー?【第6話】
絵を描くことが大好きだったエレンのパパが、交通事故で亡くなった…自殺という噂も。その保険金で自分だけ大学に行って絵を描くなんて出来ない…
せいぜいそのくらいなんだよ。残る人間の数ってさ【第6話】
美大卒業生の過酷な現実を言葉にした場面。
何かにならなきゃ…退屈でいきていけねえよ【第6話】
何もしなければ人生は退屈。エレンの発した正論ともとれる内容に対して、絞り出した光一の魂の言葉。
男だから【第7話】
仕事で嫌なことがあり、尊敬する先輩に八つ当たりしてしまった光一。まだ落ち込んではいたが、冷静になって、八つ当たりしたことを謝った。その後の先輩と同僚の会話。
横浜【第7話】
ニューヨークで有名になったエレンが、ライバルはどこにいるのですか?と記者に聞かれた時に放った一言。
おじちゃんの絵は何でこんなに色が少ないの?【第8話】
絵の具を混ぜることで、どんな色でも作れるとエレンに教えた海堂。しかし、エレンの目には海堂の描く絵の色彩が少ないと映る。
サラリーマンやれよ【第9話】
アーティストにはなれなかったと言った光一に対して言い放った一言。才能がないのなら、時間を切り売れよ!そんな風に聞こえた。
夢にも賞味期限をつけてよ【第12話】
夢を追いかけ続けることに、恐怖を感じているエレンが言った一言。
照らす側の人生だってあるんだ【第13話】
神谷が光一に対して、もう一つの物語を指し示した瞬間。照らす方、照らされる方どちらの物語にも、光と影はある。
はじまったらはじまった時にわかるよ【第15話】
自分の本当の人生なんていつどこで始まるかわからない。でも、本物の人生が始まった時に、必ず自分でそうだと気づくと教えてもらった瞬間。
クソみたいな日にいいもんつくるのがプロだ【第16話】
万全な状態の日なんてない。それでもプロはいいものをつくるんだ!という、プロとは何かを神谷が教えてくれた時の言葉。
ぼく人間ちゃうわ。デザイナーや【第17話】
仕事にかける思いの強さと、命を削る覚悟のある言葉だと思った。
私は”服きて歩く”ことしかできないから、その世界一になるの【第21話】
自分の才能を自覚し、他のものを切り捨て、一つの才を突き詰めていく覚悟。
お前の人生私にくれよ【第26話】
人の才能はいびつな形をしているから、人は寄り添う。一人で成功しているわけじゃなくて、そこにはそれぞれの役割を持った人が複雑に絡み合っているのだ。
何かに人生を捧げた人間たちは繋がっているんだ【第29話】
別々の道だとしても、もう2度と会うことがなくとも、人生を真剣に歩いている人間達は、どこかで繋がっている。お互いを見つけやすくしているのかもしれない。
”才能”の隣で生きることを笑うなよっ!【第34話】
才能のあるものを近くでサポートして見ていたいって気持ち。それを笑っちゃあいけないんだ!それがその人の本気の人生なんだから。
必死こいてお前になれよ
自分らしくとかありのままでとかって言葉に甘えた自分になるんじゃなくて、もっと自分に必死になれよ、本気になれよってことかな。
まるでフィクションだったよ…誰の人生にもそんな時間があっていい【第36話】
そう、誰のどんな人生だって、フィクションのようなファンタジーのような青春があっていいんだ。
天才になれなかった私の最良だ【第41話】
天才ではないものが見つけた、我慢強く生きる道。悔しさの中にこの決断があるのだと思う。
甘い夢よりも痺れる現実のためにー【第43話】
多くの人がこの葛藤があるんじゃないかと思う。一般的に幸せと言われている甘い夢と痺れるような毎日、どちらのために人生を使うかは、自分が決めるしかない。
真夜中に誰もいないオフィスで、自分の仕事を眺めて笑ったことが【第34話】
自分の仕事が好きで、自分の仕事に誇りを持って、妥協しない作品ができた時に、初めて自分が自分を賞賛してあげることができるんだよな。
誰が作ったなんて誰も知らなくても【44話】
誰が作ったかなんて誰も知らなくても、作品が無事に世に出ればいい。人はそんなに大人じゃないよね。この涙が正直な気持ちだと思う。
誰かを変わったなと思う時、もしかすると変わったのはアナタかもしれない【番外編】
これはいい場面での意味合いですが、逆の場面でも言えることですね。相手や自分が変わった時、その瞬間を見逃さずにいたいと思った。
何か残して死ね【第45話】
明日死ぬつもりでつくる!自分がいたこの時代に、自分がいた意味をもたらすために、何かを残す…
大義か恩義か選ぶんだ【第46話】
経験がある人は分かるかもしれないが、この決断は本当に辛い…
自分の向き不向きがもたらした絶望を見たものだけが輝ける【第48話】
自分の向き不向きを実感することすら難しい。実感して好き嫌いを抜きにして不向きなことを切り捨てる勇気。
私は27才で死ぬわ【第48話】
「ただ生きていたくない」。アーティストとしての自分がピークの時に死にたい。一瞬の刹那の為に、人生を生きている人たちがいることを知らなければいけない。
衰える自分を見たくない弱さ、2度と手に入らない希少性をピークの時に作る、自分の人生とは何であるのか自分で決めている。
この言葉を発したあかりに対して言った、光一の一言も記憶に残る。とても人間ぽい一言だった。
別にいいだろ才能なんて無くたって。何もかも持ってるじゃないか【第53話】
尖った才能がない人は何も持たないんじゃ無くて、いろんなものを幅広く持ってたりする。そしてその逆も言える。
自分の仕事で怒ったり泣いたりしないのが、本当に大人ですか!?
大人という認識を、人は時々間違えるし言い訳にする。何もかも冷静に構えられる大人よりも、自分の好きな仕事のことで、喜怒哀楽を表現出来る人の方が、何倍もかっこいいと思う。
いつか思い出して誇れることを信じろ【第61話】
このページはぜひ全て読んでほしい。https://cakes.mu/posts/17513
そう、本気出して頑張ったら、脚光を浴びることがなかったとしても、夢を見ていた自分に胸を張って、悔いはないっていうことが出来る。歳を重ねた自分が、本気でがむしゃらに頑張っていた自分を誇りに思うことが出来るんだ。
かなりたくさん心に残った言葉をあげてしまいましたが、まだあります。ぜひ左ききのエレンを初めから全部読んで見てください。単純にオススメしたい漫画だからです 笑
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最終回は最高すぎる…。
左手のエレン登場キャラ人気投票
「左ききのエレン」を読んだ周りの人の声
左ききのエレンの中から抜粋しました。
この作品と向き合うとき,全てのクリエーターは,なんらかのキャラクターに感情移入なしで読むことはできないだろう.深く自分の考え方にシンクロする登場人物が何かしらいて,周りのクリエーターや仲間を当てはめながら読んでしまうはずだ.(中略)読み進めて行く上で,生活の中の色々なケースに当てはめてしまうほどにこの漫画はクリエーターにとって中毒性の高いものだ.クリエイティブと名のつく職業に関わり、(中略)それで生きて行くことを生業にしている限りつきまとう葛藤がページのいたるところに含まれているのだ.
僕は,劇中に登場するセリフの中で好きなものを3つ挙げたい.3つに絞るのも大変だったのだが,「だったらサラリーマンやれよ」と「ぼく人間ちゃうわ,デザイナーや」と「本気出せ,本気出して、それから諦めろ」である.この漫画を描いているかっぴー先生はどんな経験の中からこれを引っ張ってきているのだろうか.劇中で向かい合う才能たちが,苦みを含んだ言い回しと,等身大のセリフの投げ合いによって心にグサリとくるようなシーンを作り出していく.コピーライティングのような珠玉の台詞回しは何度も読み返すきっかけを僕に与えてくれる.アーティストとして生きること,人間性を捧げること,そして見える「その先」から溢れるエモさを意識すること,忘れてはいけないことが詰まっている.
メディアアーティスト/筑波大学助教 落合陽一
「漫画は、絵でも話でもない。魂です。」と、
とあるベテランの編集さんがおっしゃっていました。
『左ききのエレン』を読むと、
「漫画は、絵でも話でもない。魂です。」
その言葉の意味が とてもよくわかります!漫画家・矢島光(彼女のいる彼氏)
かっぴー×片桐仁のインタビュー記事
まとめ
クリエイティブの仕事に関わる一人でも多くの人たちに、このストーリーを知ってほしいと思ったので今回ご紹介しました。
一部無料公開などされていますが、ぜひ全てのストーリーを順番に読んでいってほしいと思います。順番といっても過去と未来を行き来しますが。無料の部分だけでなく、全てのストーリーを集中して読むことで、よりキャラクターやストーリーに感情移入し、深くシンクロし、作者のメッセージがガツンと心に響きます。
筑波大学教授の落合さんが言っているように、作者のかっぴーさんのどんな経験が、この劇中のメッセージを引っ張ってきているのだろうか。本当に真剣に自分の人生と仕事に向き合ってきたからこそ、楽しいだけじゃない、苦しさ混じりの等身大のセリフが出てくるのだと思います。
ぜひ皆さんにも、自分の人生のどこかの部分と、リアルなこの漫画を照らし合わせながら読んでみてほしいと思います。クリエイターさんじゃなくとも、この漫画に含まれる先見性はとても勉強になると思います。
かっぴーさんのブログもすごく共感することが多く面白いです。
→https://note.mu/nora_ito/m/mb00c5c8e92bd