こんにちは★最近はコルクではなくスクリューキャップのワインが増えて、便利だと思う反面寂しさを感じている今日この頃です。
昔からスクリューキャップのワインはありましたけど、最近特に多いと感じます。やっぱりワインはなんだかんだコルクがいいなあと。
先日、ワインコルクを使った作品を手作りされているNPO法人様にお伺いしました。今後、商品化すると共に、お手軽なDIYで作れるコルクキットなども作成されるようです。
今回はその作品の一部と、法人理事や事務局長、コルク製造責任者様たちの想い、ワインのちょっとした豆知識などを交えてお伝えしていきます。ワインコルクで作るDIY作品の魅力が少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
コンテンツ
そもそもなんでワインにコルク栓をするの?
ワイン好きの方なら常識だよと思われるかもしれませんが、知らない方も大勢いると思うので簡単に説明しますね。
ワインの天敵でもあり、最後のスパイスであるのが「酸素」です。(最後のスパイスである理由は記事の最後に述べます)
ワインは酸素に触れると、味や香り、色が劣化していきます。それなら酸素を遮ってしまえと17世紀末頃から気体や液体を通さないコルク栓でワインに蓋をするようになりました。
また、空気に触れずに長い年月熟成させると、ワインの味や香りが向上すると言われています。
柔軟性があり、気体や液体をシャットアウトし、腐敗に対する抵抗力もありますので、コルク栓はワインの味や香りのクオリティーを高める為のモノとして、なくてはならないモノなのです。
ソムリエにとっても重要なコルク栓
コルク栓は空気に触れさせないだけではありません。ソムリエにとってもワインの味、腐敗、香りを確かめる為の重要なキーマンなのです。
ヴィンテージのワインは、同じぶどう品種や地方、年代であったとしても保存方法やぶどうの出来栄えによって、それぞれ味が微妙に違います。
ソムリエはワインのコルク栓を開けると、そのワインが腐って劣化していないかをコルクに少しだけついているワインの色や香りで確かめているのです。
ソムリエが最終確認してOKであればお客様(カップルの場合は男性、ホスト側)にテイスティングしてもらいます。
NPO法人Re機構様のコルクインテリア
今年行われたJAPANTEX2017(JAPANTEX2017の体験記事)で出会った素敵でオシャレなコルクインテリア。ありがたいことにそのコルクインテリアを展示されていた「NPO法人Re機構」様の事務所にお邪魔させていただきました。
素敵なコルクインテリアを一部、ご紹介させていただきます。
↑↑↑コルクボードとコルクで装飾した時計です。この時計は取り外しも出来るので、時計の部分を模様替えもすることが出来ます。
↑↑↑コルクで周りを装飾したミラーですね。耐久性もあり落としてもでっぱったコルクがガードして鏡が割れるのを防いでくれそうです。
↑↑↑コルク素材にペイントを施し、切ったりして作ったフクロウのインテリアです。アーティスティックな作品ですね。
上記でご紹介した3点の他にも、使い勝手が良さそうな「コースター」や「鍋敷き」など魅力的な作品をたくさん見させていただきました。その全貌はまた別の機会にご紹介したいと思っています。
コルクインテリアの魅力について会話風に
ちなみに写真左の私が持っているカレンダーもコルクで出来ています。(お土産にと頂いちゃいました。ありがとうございます。)
いろんな可能性があるコルクインテリア
私「とても素敵な作品ばかりですね」
理事「そう、これもこれもコルクでできてるんですよ。面白いでしょ?」
私「うわ〜すごいアイデアですね」
理事「飾るだけじゃなくて、実際に使えるものも多いです」
私「まだまだいろんなことが出来そうですね」
理事「ええ、コルクにはいろんな可能性がありますよね」
と、こんな風にコルクインテリアについて、楽しそうに語ってくださった理事。コルクインテリアに幅広い可能性を感じていることが、言葉や表情から伝わってきました。
「もったいない」から始まった
事務局長「最初はね、もったいないと思ったことから始まったんですよ」
私「私もコルクが再利用されずに廃棄されてるとは知りませんでした」
事務局長「コルクを使って何かできるんじゃないかって思って、やってよかったです」
私「再利用する大切さに改めて気づかされました」
事務局長「2年ほど試行錯誤してやっと作品として形になってきました」
私「ぜひこのコルクインテリアを広めるお手伝いをしたいです」
物腰柔らかに、コルクインテリアを扱おうと思った始まりを話してくださった事務局長。コルクインテリアへの熱い想いが伝わってきました。
コルクのスペシャリスト
製造責任者「コルクの加工はこちらでやっています」
私「これ何でカットしてるんですか?」
製造責任者「コルク用のカッターです。まっすぐにコルクを切るのは実は難しいんです。」
私「そーなんですね!家庭用カッターとかで切れると思っていました」
製造責任者「加工したコルクなどをキットにして届けたいと思っています」
私「DIYする楽しさと手軽さがあってすごくいいですね」
製造責任者は、100年以上前からコルク製品を作られている会社の社長です。コルクのプロがいるので、製品加工も安心して任せることが出来るのですね。
コルクインテリアに対して率直に感じたこと
JAPANTEX2017の時、初めて作品を見た時から、珍しくて面白いなあと思っていました。
今回のRe機構様の事務所訪問で、ぜひ私が携わっているメディアでも紹介したいと強く思いました。Eコマースサイトでも扱わせて頂けることになりましたが、今回こちらにも記事投稿させていただきました。
作品から伝わる温かみと、一つとして同じものがない表情を変えるコルクの面白さ。こんなインテリアを世に誕生させてくれてありがとうございますと言いたいです。
今後は、完成品、キット、パーツなどを製品化し、ものづくりやナチュラルインテリアが好きな人たち、ワインが好きな人たちに向けてまた改めてご紹介していきたいと思っています。
【雑談】ボロボロコルク栓の苦い思い出
私は過去に、ヴィンテージワインのオーダーが時々出る飲食店で働いていたことがあります。ソムリエやワインアドバイザーの方もいましたが、様々な理由で自分がヴィンテージワインを開けなくてはいけない時もありました。
数万〜数十万するワインを開ける時なんて、本当に胸がはち切れそうなほど緊張します。まだ自分の家族とか友達ならいいですが、お客様の目の前の抜栓は失敗できません。
失敗できないプレッシャーと、かっこよく開けなくてはならないという緊張で、顔が熱くなり手汗がひどかったのを今でも覚えています。
手汗がひどいと、当然良いパフォーマンスなんて出来ません。ある日、VIPのお客様が注文してくださった40万ほどするワインを開ける時、ポキっとコルク栓を折ってしましました。ポキっというかグニョっ、ボロって感じですね。そう、いくら耐久性に優れたコルクといえど、あまりに年月が経ちすぎると、コルク自体が劣化します。
私はお客様の顔を見ることができず、気が動転しそうになりながらも慌てて再度ソムリエナイフを刺しましたが、冷静なスタッフが一度下がろうと声をかけてくれたので、お客様の席から離れました。
その後、プレッシャーから解放された私は、バックヤードでコルクを慎重に抜きました。本当は様々な理由で、抜栓の途中でお客様の前から離れるわけにはいかないのですが、声をかけてくれたのはお客様に連れられたきていた会社の上司だったのです。
コルク栓を無事ではない状態で抜き終えた私は、再度お客様の元に戻りデキャンティングを行いました。オリはもちろん、中に入ってしまっているかもしれないコルクのかけらを見つける為です。
終始お客様への申し訳なさを感じていました。ワインのオリの数倍苦い経験です…
※酸素が最後のスパイスと言った訳:ワインボトルの中で眠っているぶどうのポテンシャルを一気に花開かせるために、デキャンティングをします。
デキャンティングとは、閉じ込められていたワインに空気を触れさせることです。ワインを注がれた後にワイングラスを回す人がいるのもそのためです。プラス、ヴィンテージワインに見られるオリ(苦く渋みがある沈殿物)を取り除くこともデキャンティングをする理由です。
実際このデキャンティングをいつ行うのかという部分は、専門家でも賛否両論だそうです。